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  3. ベトナムのリサイクルに対する取り組み

リサイクルの輪

ベトナム・リサイクルズ(VRP)と山積みの課題

急激な経済成長をしている東南アジア地域において、特に著しい成長をしているのがベトナムです。
しかしかつての日本がそうであったように、急激な経済成長には深刻なゴミ問題が必ずついてまわります。

経済が拡大していくことにより、主要都市部へ人口が集中をしたり地方都市での市民の生活スタイルが変化していくことにより環境への不可が大きくなっています。
もともとベトナムという国は農業国として発展してきたのですが、外資優遇の政策を進めることにより工業化が促進されました。

その結果ベトナム国内には外資系の大工場が複数建築されることとなりますが、あまりにも急に工場が増えたことで国の法整備が追いつかずその結果危険な大気汚染物質や土壌汚染物質、水質汚染といったことが起こってきています。

一方で視点を一般市民の生活に移してみると、経済成長が起こったことにより市民生活での消費が増えそれがゴミを増加させることにつながっています。
これまでは消費された製品は廃棄処分をされるという直線型経済で成り立ってきましたが、都市部の人口増やそれに伴うゴミの増加によりゴミをただゴミとして処分するのではなくリサイクルをする循環型経済への転換が必要になりました。

そんなリサイクル型経済を目指すきっかけとなっているのが「ベトナム・リサイクルズ(VRP)」です。
こちらはベトナム国内で大人気となっているApple製品の不用品を回収するための組織で、回収されたMAC製品やiPhoneなどをリサイクル工場へ運んで適切な形で処分をするようなしくみとなっています。

なぜ「VRP」という独特の組織が運営されているかというと、ベトナム国内に正規のアップルストアが進出していないということが関係しています。

本来であれば販売する国内においてアップルストアが回収やリサイクルを担当するのですが、企業体制が追いついていないためにまずは回収拠点が先に設置されるようになったということになります。

リサイクルという産業は性質的に数が増えていかないとコストが多くかかってしまうというデメリットがありますので、今後はより回収できる製品を増やしていかないとなかなかリサイクル意識というものは根付いてくれないのではないかと予想されます。

エコタウン構想で日本企業も参入

ベトナム国内のリサイクル活動において、日系企業も進出をしています。
千葉県にあつ市川環境エンジニアリング(IKE)はベトナムでのエコタウン構想を提唱しており、今後は都市ゴミをどのようにリサイクルしていくかということについて重要な役割をしていくことが決まっています。

現在のような埋め立て方式では将来土地の問題や汚染の問題が起こるため、ここ数年のうちにリサイクル意識をどう一般に浸透させていくかが重要なポイントです。