イギリスのゴミ事情と高まってきたリサイクル意識
ヨーロッパ地域は全体的に環境に対する意識が高い国が多いのですが、中でも特に環境に対して厳しい基準を設けているのがドイツ、イギリス、北欧諸国となっています。
イギリスに旅行などで訪れたことがある人ならわかると思いますが、イギリスの市街地では町並みのあちこちに「OGANIC(オーガニック)」という文字が見受けられます。
日本においても「自然食材」や「天然素材」といった言葉が流行をしているものの、町の中で見かける店舗ジャンルとしてはまだまだ比較にならないほどの数です。
お店の多さからも推測できるようにイギリスの一般的な市民の環境意識はかなり高く、中でも水に対しての注意は相当高いものとなっています。
これは日本と違ってイギリスは水事情があまりよくなく、水洗トイレの水圧が低いことから少しでも無駄なく水を使おうという意識があることが関係しています。
水ともう一つイギリスの一般市民の意識が高いのがゴミで、ゴミのリサイクルシステムは各市町村でかなり高いレベルで行われていることがわかります。
ただしそんなイギリス人のゴミ意識ですがこれは自然に形成されていったわけではありません。
数年前までは住民一人ひとりが分別をきちんと行うという習慣はまだそれほど浸透されておらず、むしろ日本の都市部の方が徹底していると言ってもよいほどでした。
これは住民意識の問題だけではなく、イギリスの一般家庭においては必ず庭がありそこを整備するという習慣が当たり前にあることから庭関係のゴミが多く出やすくそれが分別のしにくさになっていたということがあります。
また粗大ごみを業者が回収して処分するという習慣が昔からなく、不要になった家具や家電製品は週末などに開催されるチャリティーショップに持っていったり、リサイクル場に持ち込んで欲しい人に持っていってもらうという方法が一般的でした。
そんなイギリスにおいてここ最近急激に行われるようになっているのが環境教育です。
ゴミの分別については市民全体への周知徹底が欠かせませんので、地道な啓蒙活動と子供への教育を積み重ねてきた結果、現在のような高い環境意識を市民が共有することができるようになったといいます。
EU脱退と今後のエネルギー政策
環境先進国であるイギリスですが、これから本格的にEUを脱退することになった時、エネルギー問題をどう解決していくかということで注目が集まっています。
これまではイギリスは火力発電所に頼ったエネルギー政策が行われてきましたが、多くの施設が老朽化していることにより今後どういった方面で電力を確保するか非常に重要な問題になってきます。
既に中国から原子力発電所の建設を受けることが決定していますが、環境政策ということで考えた時どのような方針になるか注目していきたいところです。