タイのゴミ問題
今タイで注目されているのは2つのゴミ問題です。
1つはプラスチックごみ、もう1つは電子廃棄物、原因は2つでも多くの問題を引き起こしています。
プラスチックごみの中でも、タイでよく問題になっているのはビニール袋です。
たとえば打ち上げられて死亡したゴンドウクジラの胃の中から大量のビニール袋が見つかったことがあります。
この時のビニール袋は約80枚で、重さにすると8キロにもなっていたそうです。
他にも、ビニール袋が排水口に詰まって洪水を起こすこともありました。
電子廃棄物はタイへの輸入が急増し、不法投棄されることが問題となっています。
背景としては中国での電子廃棄物などの輸入禁止措置があるからです。
一部の中国人業者がタイへと拠点を移したことで、投棄が増えたのではないかと言われています。
プラスチックごみと電子廃棄物の問題点
プラスチックごみの問題点といえば、燃やすと有毒ガスを発生するものがあることです。
ただしこれは、分別を行うことや、ダイオキシン発生を抑える焼却炉の開発などにより、それほど問題視されなくなってきています。
本当の問題点は、自然界で分解されにくいことにあります。
これはプラスチックごみ、電子廃棄物の両方に言えることです。
自然界で分解されないゴミは、河川等を経由し、海洋汚染につながり、生態系にも影響を及ぼします。
また、リサイクルするにも手間やコストがかかるという問題があります。
生産するときは安く簡単にできても、処分するには大変であるから適切に処分されないということも考えられるのです。
タイ国内で変化する意識
大きな問題に直面しているタイでも、近年ゴミ問題に対する意識は高まってきているようです。
まず6月には2027年までにプラスチックごみを半減させる覚書が結ばれました。
同じ日に、10月1日からは国立病院にて医療品を入れるビニール袋の配布を中止すると発表しています。
また工業省がタイ国内148箇所の電子廃棄物処理場の一斉検査を5月末より開始しました。
警察との連携の上、違法に電子廃棄物を取り扱う業者の摘発をおこない、不法投棄を減らそうという動きがあります。
いきなりゴミをゼロにというのは無理ですが、こうした国内の意識の変化はゴミ問題解決への大きな一歩と言えるでしょう。
タイの問題は世界の問題
タイのゴミ問題として、プラスチックゴミと電子廃棄物のことを紹介しましたが、この問題はタイ以外の国でも注目されていることです。
特にプラスチックごみについては、世界中の人が関心を寄せています。
考えてみれば日本はプラスチック依存が深刻な国です。
プラスチックごみの問題に今こそ取り組まなくてはならないのはタイだけではないということはお分かりいただけると思います。
ゴミ問題は世界中の問題として、全ての人が関心を持つべきことです。