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  3. 南アフリカ共和国のリサイクルに対する取り組み

南アフリカのリサイクル率

南アフリカは着実な経済発展を経て、国民の暮らしはどんどん豊かになっています。
しかしその豊かさに比例して廃棄物の量も増えているのです。
そこで廃棄物のリサイクルに期待がかかっています。

ところが南アフリカのリサイクル率はまだまだ低い状態です。
特に廃棄物の割合で60%を占める廃プラスチックのリサイクル率は18%にとどまっています。

一般的にビニール袋等の処理は廃棄物処理場に直接投棄されます。
しかしプラスチック類は自然に分解されません。
残存した物質が河川、海洋、土壌を汚染することが危惧されているのです。

日本企業の働きかけ

南アフリカのリサイクル率を上げるため、注力した日本の企業があります。
広島県福山市に本社を構える株式会社CFPです。
CFPの主な事業は合成樹脂や合成ゴムの加工と卸売ですが、今回は南アフリカで廃プラスチックを油にするプラントを立ち上げました。

CFPの「油化装置」はポリプロピレン(PP)・ポリエチレン(PE)・ポリスチレン(PS)の分別も必要ありません。
ですから非常に効率よくリサイクル油にすることが可能です。
ちなみに南アフリカのプラントでは1日約4トンの廃プラスチックから約4,000リットルの油ができます。

作られたリサイクル油は安価なので、現地の人にも好評で、需要も高いのだそうです。
CFPでは、南アフリカの現在のリサイクル率は18%ですが、まずは25%まで上げたいという目標を掲げています。

リサイクル油の発電機

廃プラスチックを利用して作られたリサイクル油は、主に自家発電機に使われます。
通常であれば発電機の燃料は軽油およびA重油です。
しかしリサイクル油でも発電機を動かすことは可能で、しかも軽油等に比べると安価になっています。

アフリカ全体で見ても、電力供給は不十分な状況です。
ですから各家庭に自家用発電機を置く必要があります。
豊かになり先進国とみなされている南アフリカでも、自家用発電機を使っている家庭は多いです。
特に収入が少ない家庭であれば、安価であるリサイクル油は需要があることになります。

リサイクル油は発電機以外にも、ボイラーやフォークリフトなどの重機の燃料としても使われます。
これからますますリサイクル油の需要が増え、同時に廃棄物処理場へ投棄されていた廃プラスチックが削減されることが期待されているのです。

全世界に広まってほしいリサイクル

廃プラスチックをリサイクル油にするという働きは、実は日本でもすでにおこなわれていることです。
日本の場合だと、企業がパッケージのリサイクルのために取り入れているところが多い傾向にあります。

他にも東南アジアやインド、中国など、多くの国に需要があります。
世界で最も多いプラスチックごみを削減できるリサイクル油化の動きは、さらに広がることを期待したい素晴らしい取り組みです。