リサイクルにおいて突出した存在
リサイクルの問題は何十年も前から問題として提起されているにもかかわらず、なかなか解決に向かっていません。
いかに国民の啓蒙、計画の採択、実行が難しいことなのかがわかります。
先進国であっても発展途上国であっても同じような状況です。
たとえば欧州連合(EU)は2020年までに「排出されるゴミの50%をリサイクルする」という目標を掲げていました。
ところが実際、英国のEU離脱問題や緊縮財政の影響で目標達成が厳しいという状況になってしまったのです。
各国が足踏みを続ける中、突出した国が北欧のスウェーデンです。
スウェーデンは欧州や他の国と比べても、かなり優秀なリサイクル大国となっています。
ゴミを輸入する国・スウェーデン
スウェーデンでは排出された廃棄物の99%をリサイクルしているといいます。
残りの1%のみが埋立地に贈られているのです。
この数値は世界から見ると、驚異の数値ではないでしょうか。
またスウェーデンには革新的なリサイクル施設が存在します。
こちらの施設のおかげで大量のリサイクルが進んでいるのだと考えられます。
しかも凄いところは自国のゴミをリサイクルしていることだけではありません。
なんとリサイクル施設をフル稼働させるために、わざわざゴミを輸入しているということです。
スウェーデンがリサイクルに長けている理由
スウェーデンがこれほどまでにリサイクルに長けている理由は、「何よりも環境を優先する文化」が国民の意識の中にしっかりと根付いているからです。
国民の多くが熱心なアウトドア派であるというのがスウェーデンの国民性のようで、彼らは環境問題において何をすべきかをきちんと理解しているのだといいます。
さらに1991年には化石燃料の使用に重い税金を課すという法律を制定したことも、スウェーデンが先陣を切っておこなったことです。
それから四半世紀を過ぎた現在では、スウェーデン全土における電気需要の半分が再生可能エネルギーで賄われています。
ヨーロッパ南部など他の地域では、排気施設からの熱エネルギーをあまり生かせず、施設の煙突から放出するしかありません。
一方スウェーデンではゴミの輸入、廃棄は民間業者がおこない、その過程で発生する熱エネルギーは国管轄のインフラを通して各家庭に供給されます。
この一連の流れが確立されているおかげで排気施設からの熱エネルギーを効率よく活用できるのです。
今やスウェーデンでは、この熱エネルギーが石油由来燃料の代替ソースとなっています。
自然を守るためにすべきこと
スウェーデンの多くの人々は自然を守るために自分が何をすべきなのか理解しているということでした。
裏を返せばその他の地域の人々が、まだ自然を守るためにすべきことをきちんと理解していないのではないかと考えられます。
個人でも環境問題を考え、取り組めることはあります。
食べ物のロスを減らすこと、環境に配慮した商品を選ぶことだって、立派な取り組みです。
自然を守るために小さなことからでも理解し、始めていくことが求められています。